give and give

会長メッセージarchives/wrote 20260920 #31

数年前、同じテーマで書きましたが、歳を重ねるたび思い出される記憶の中から、私がgive and giveを大切にするきっかけになったエピソードを紹介します。
私は学生時代、ある大きな会社の営業販売のアルバイトをしていました。色んな商店や会社に飛び込み営業に行く仕事です。一般的に楽ではない仕事でしたが、当時私は一般社員さんに混じって、営業という仕事をとても楽しんでいました。ある日、西宮の老舗の、あるうどん屋さんに行きました。飛び込み営業なのでお店によって対応は色々ですが、そこの店主らしきおばあさんは、私の話を丁寧に聞いてくださり、遂には私のお客さんになって下さいました。あまりにも嬉しく、「ありがとうございます!」と、元気よく言った記憶があります。ところが、そのおばあさんは「まぁここに座りなさい」と、私をテーブルに座らせました。しばらくすると、「お腹が空いてるやろ、しっかり食べて頑張りよ」と、目の前にきつねうどんと他人丼が運ばれてきました。私はもう嬉しくて胸がいっぱいで感激して、忘れられない思い出になりました。おばあさんは私に「契約」というご褒美だけでなく「優しさ」というギフトを与えてくれました。そのことが、その時の私をどれだけ元気づけたことか。与えられるということはこんなに力があることなんだと、その時に教えられたのです。
無償に無心に、ただ、与えること。そのことを、おばあさんから教わり、私の原点になっているように思います。


ヨットライフの中でも、当時、私の周囲にいた大人たちは、皆、紳士でギブの精神の人たちでした。実際に与えてもらった物理的なものや事よりも、その生き方や感性、精神性など、多くのことを学びました。自分の好きなことや好きなことが共通する若者に出会うと、何故か応援したくなります。若い時に与えてもらったギブの精神を、私も当たり前のようにギブする。同じ感性を持った人の想いは、世代を越えて巡り巡るものです。今もそのお店の前を通るたびに、あの時のおばあさんのことを思い出して、あたたかい気持ちに包まれるのです。

 

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