JIBのかばんのハトメのお話し

いつもJIBのカバンをご愛用いただき
本当にありがとうございます。

今日は、JIBの中心にある重要なコンセプト
「いざというとき使える」
この説明をする材料
「ハトメ」
についてお話しします。

ハトメ(鳩目=eyelet)は
実際のヨットの世界では、
ヨットの帆の角に
ヨットの本体とセイルをつなぐために空けられた穴の補強として
生地を両側からガチっと挟み込んでカシメて
生地が破れないようにする目的のものです。
強風で風と引っ張り合いっこしても
それに耐えられるように、
とても丈夫な素材です。

みなさんはもうよくご存知の通り、
JIB製品は全て
「本物のアウトドアの材料を使う」
に、こだわっていますので、
当然、この本物の「強度」のあるハトメを
カバンにも
贅沢に使っているわけです。

JIB Fastener Tote(S size)

JIB Fastener Tote(S size)

さて昨今、
色々な使われ方をしていただいている
JIBで人気のファスナートートも
ハトメ付きの商品のひとつ。

そのデザインのコンセプトは
他のかばんと同様に
やはり、機能からデザインされたものであり、
「いざというとき使えるように」
こんな想いを込めて作りました。

ハトメ部分 アップ

ハトメ部分 アップ

持ち手に付いている4つのハトメは
簡単なレスキュー機能、
ショックコード(伸び縮みするゴムのようなロープ)を利用した
キャリーへの簡単な装着、

ハトメの穴を利用してショックコード(ゴム製ロープ)を通しキャリーに装着。スタイリッシュで機能的

ハトメの穴を利用してショックコード(ゴム製ロープ)を通しキャリーに装着。スタイリッシュで機能的

そして、中でも人気が高いのが、
両端2つのハトメを活用して
ショルダーバッグ化するという使い方。

ショルダーベルト装着時イメージ

かばんを作った当初は、
ハトメに10mmのロープを通し、
エイトノット(専用の団子結びのような結び方)で結び
肩掛けができるようにしていました。
しかしそれは、
あくまでも”エマージェンシー”の使い方
として伝えてきました。

ハトメの大きさに合った太さのロープを通してエイトノット(ロープの結び方のひとつ)で端止め

ハトメの大きさに合った太さのロープを通してエイトノット(ロープの結び方のひとつ)で端止め

 

そうしてしばらくすると、
お客様の思い付きにより、
通常の金属製部品付きJIBのショルダーベルトを、
ハトメの穴に無理矢理はめて
ショルダーバッグのようにして使う、
そんなお客様が出現してきました。

ハトメにナスカンを通していきます

ハトメにナスカンを通していきます

ショルダーベルトのナスカンの取付にはほんの少しコツが必要です

ショルダーベルトのナスカンの取付にはほんの少しコツが必要です

この使い方はやがて
多くのお客様に浸透し、
もうそれが当たり前のようになってきました。
お客様がご自身の自由でされることであって
そこは自由であるからです。

ところが、それを見ていると
それはそれで
なるほどお洒落な感じに思えたのです。
そして、この雰囲気も大切だなあと考えました。

しかし、ハトメの穴は、本来、
そのような使い方を前提としていません。
ショルダーベルトの取り付けられる本体側には、
本来、それ専用の「Dカン」という部品が
カバン本体に縫い付けられています。
ショルダーベルト側には「ナスカン」
このカップリングが、正しいのです。

故に、
ハトメにショルダーベルトを取り付けるとき
無理矢理な感があるのです。
これは、無理矢理なことなのです。
少しやりにくい部分があったり
手作りゆえ
ハトメの打ち付け位置に個体差もあり、
カバンによっては
不便だなぁと思うものも出てきます。

かと言って、
ファスナートートはトートバッグとして使う目的から
デザインしましたので、
ショルダーベルトを装着する為に
デザイン変更をするつもりはありませんでしたし
今もそれは変わっていません。

ファスナートートを作ったときの、
商品誕生のコンセプトに
合わなくなってしまうからです。

そうして何年か過ぎて、
そんな使い方が
当たり前のようになっている今、
JIBとしても
現在の形をNoとは言わず、
取り外しの不便は承知の上で
楽しんで頂けたらと思います。

「デザインは機能から」
を、テーマで考えています。
前述の通り、
専用金具ではないために、
取り外しは少しコツが必要です。

ハトメ、ヨットナスという金具は、
機能から生まれたものです。
その雰囲気やいざと言う時に役立つ機能に
お使いになる人全てに、触れていてもらいたいのです。

そんな想いを込めて、
改めて書かせていただきました。

よろしくお願いします。

※ファスナートートは発売から40年のアイテム、ショルダーベルト装着がスタンダードになってからは10年ほどの歴史です

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