初クルージング

■初クルージング
衝撃的なヨットとの出会いの春からわずか数週間後、初めての一泊クルージングです。

当時クルージングで乗った船「ナオタン」

ナオタン(ヨットの船名)に先輩クルーと乗り込み、いざ目的地は、淡路島の洲本へ。
クルーとして、期待と不安に胸を膨らませながら、出港。
西宮港から出発して6~7時間かかったと思います。
その日の天候は曇り、辺りは霧でほとんど何も見えない状況でしたが、それでもコンパスで進路だけ見て、針先を頼りに進むのです。

「これで本当にちゃんと着くんか?」

そう、信じられますか?
コンパスの指し示す進路だけで、身近な島だけじゃなく、世界中何処へでも行けるのです。
このシンプルな地球のシステムが、何も知らない僕にとってはとても新鮮で、衝撃で、と同時に最大に不安でした。

目的地が近づく頃の時間、前方に見たことのある松林が!!
小学生の頃、家族旅行で行った時に、関西汽船から見たものと同じ景色が目に飛び込んできました。

ちゃんと着いた・・・・・!!

感激でした。
それは、感激と同時に、何とも言えない安堵感が溢れ、「海に出て、必ず無事に丘(陸)に帰ってくる」という、海の世界での大鉄則の意味を、ほんの少し体感した事でした。

クルージングから帰ってからも、毎日沖に出て、練習に明け暮れてました。
ヨットの艤装(帆走の為の準備・セッティング)、ロープワーク、ロープの投げ方や、セイルのトリム(調整)、そして大切な仕事であるヨットの掃除や整備など・・・覚えることはたくさんありました。
マリーナで動き回る他のスタッフの、無駄のない機敏な動きが、何ともかっこよく、僕の憧れになっていたのです。

そうして、夏も盛りになる頃には、もう自分もいっぱしのクルーのタマゴになっていました。
スキッパー(船長)に指示される前に手際良く段取りし、何でも出来るようになっていました。

若き日の Mr. JIB

練習はいつも西宮から4~5時間で往復出来る範囲。
タックやジャイブ(帆走の基本の動作)など、沖に出てはそういった実践の練習です。

また、淡路島、小豆島、家島・・・
瀬戸内海を臨む西宮からは、とても手頃な目的地がたくさんありました。
クルーザーのオーナーが寛容な人物で、僕たちがそういった身近なクルージングを持ちかけると、実行することをいつも心よく許してくれたのです。
【to be continue・・・】

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