憧れのVANジャケット

■”Cape Cod Spirit”
さて、”VANジャケット”というブランドを知っていますか?

僕が、ヨットに乗り始めた1967年、VANジャケットは”Cape Cod Spirit”というテーマでキャンペーンを行い、New England Styleのファッションを売り出したのです。
ちなみに、ケープ・コッド(コッド岬)は、アメリカ東海岸、N.Y近郊で、アメリカ開拓の出発点でもあるマサチューセッツ州にあります。
夏場はホエール・ウォッチングの観光客で賑わうサマー・リゾート地です。当時大統領であったケネディの別荘もありました。
ニューイングランド(地方)はそんなケープ・コッドを含み、大西洋を渡ってイギリスからヨーロッパの文化が融合した街であり、非常に洗練されたイメージを創り出していました。
僕はこの街がとても好きです。(その後アメリカズカップで渡米し僕自身の目で確かめていたので、よく知っています)

ニューイングランドスタイルとは、そういった流れの中で生まれたネーミングなのでしょう。
Tシャツにバミューダパンツ、上品なカジュアルウェアといったところです。

話しを元に戻します。

その、VANジャケットのポスターには、外洋ヨットが!!

記憶の中のVANポスター

・・・かっこ良かったです。
突き抜けるような青空と、真っ白のセイルのコントラストが画面のほとんどを占め、ヨットのバウ(先端位地)に、そのファッションをまとったセイラーが座っているポスターでした。
白いセイルの真ん中にフロートするようにランプのデザインのVANのcape cod spiritのロゴがあしらわれ、とにかく抜群に洗練されていました。

しかし、何と言っても僕が感激した事は、そのセイラーの姿が、いかにも僕の日常の姿と全く同じであった事です。

・・・これって、毎日僕がしてることと同じやん!

そのような洗練された遊びをしている、という自分が、特に誇らしく思えたのです。
だって、まさしく同じ事を、既に日常でしていたのですから。自分では全く手の届かない世界、考えられない世界へ、ヨットを通じて僕はあっという間に同じ世界への入り口に招待された気分でした。
ポスターのモデルは、まさしく僕自身でした。

そんなこともあり、マリンファッションには、かなり敏感でした。
時代が流れた今から当時のファッションを見れば、まぁどうかな~というところですが。

しかし、そういった欧米やマリンの世界からの感性は、確実に僕・Mr.JIBの目に、心に、貯金されていった時代でした。
良いものは、時代や世代を超えても、ずっと良いのです。

●VAN JACKET INC. web page
https://www.van.co.jp/index.html

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