ドラゴンクラスの古セイルを使って

こんにちは、久しぶりに書いてみようと思います。

●JIB創立当初に始めた古セイルのバッグ
古セイルを使ったバッグを、最近また作ってみました。
というのも、僕が乗っているヨット、「ドラゴンクラス」のセイルを使ってセイリングクラブのディンギーの練習用にセイルをリメイクしたり、同じドラゴン仲間の古いセイルを使って、特別なギフトにしたりと、特にセイリングによって使い込まれたセイルクロスの味わいを生かすことが改めて楽しく、魅力的だと感じているからです。

さて、「最近また」と書いた通り、古セイルを使ってバッグを作るというのは、JIBが創立当初に既に始めていたことなのです。
でも、僕が古セイルをJIBバッグのメインの資材として採用し続けなかったのには、理由があるのです。
まずは、その当時の話しです。

それは、僕がヨットに興味を抱いた10代の頃のこと。
僕は「ドラゴン」というヨットと出逢いました。
マリーナに上架されたドラゴンを見て、その船型の美しさに一目惚れでした。
1929年に設計されたこのヨットが、僕は今でも世界で一番エレガントなヨットだと思っています。

1978年、JIBを設立した当時は、ディンギーやクルーザーの古セイルを使ってバッグを作っていました。
しかし、当時は今の時代と違い、ヨット人口もさらに少なく、また、簡単に情報を共有するインターネットのような便利なツールもありませんでした。
故に、古セール自体がなかなか手に入るものではなかったように思います。
一番肝心な材料が満足な量を満たせない状況では、商品の供給にも支障が出ますし、お客様にもご迷惑がかかると考えました。
そこで僕は、販売する為の商品は新品のセイルクロスで作り、カバンとして使って頂いている内にお客様の手によって古セイルにしてもらおうと考えたのでした。

そうです!
まさしく今のJIBの原型であり、コンセプトの一つです。

そして、古セイルを使ったシリーズは、ヨット部の学生達のメモリアルバッグの材料として持ち込んでもらったものを、丁寧にバッグとしてリメイクする、といった方向に変えたのです。
見た目にも「世界に一つ」のオーラをたたえ、なんとも言えないクタクタ感、ちょっとした汚れやシワも、魅力的に生まれ変わった古セイルのシリーズは、「自分たちが乗ったヨットのセイル」であるからこそ、また愛着もひとしおと、大変喜んで頂いたのを覚えています。

●Dragon Class Series
そして時が過ぎJIBは11月に33歳を迎え、来年は34歳になります。
数年前に手に入れた僕のドラゴンのセイルナンバーは「JPN-34」
(以前このブログにもRainbow Seekerとしてご紹介致しました)

また、来年2012年の干支は「辰」ということで、ドラゴン・イヤーと言えます。
ということで、「ドラゴン」「辰年」「34」などの符号が揃う2012年、ドラゴンクラスの古セイルにこだわり、様々なバッグを作ってみようと考えました。

このバッグは、何もかも徹底的に僕のこだわりを詰め込んで作ります。
また、製作に当たるスタッフは、もちろん僕と僕の艇のクルーだけで作ります。
これもこだわりです。我々のヨットに対する想いを、いっぱいに感じて頂けるように。

古セイルは材料もたくさんありませんし、セイルをじっくり見て、どこを何に使うと一番良いものが出来るのかなど、一つずつ細かく裁断していきますので、効率もとても悪いのです。
なので、少ししか作れませんが、楽しい物をたくさん作るつもりです。

どうか楽しみにしていて下さい!

※写真は参考商品で今現在は販売しておりません。年始より発売予定です。

※過去の関連記事はこちら↓
Rainbow Seeker JPN-34 NEWS #1
Rainbow Seeker JPN-34 NEWS #2

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